エンジェル投資家について
2017/12/17
いま多くの起業家から資金調達先としてエンジェル投資家が求められています。
日本ではまだ馴染みの薄い言葉ですが、本場アメリカでは広く認知されており、
社会貢献としても大きな意味を持つことから、エンジェル投資家は憧れを抱かれています。
・エンジェル投資家とはどのような人物なのか
エンジェル投資家とは言葉を変えれば未上場の企業に出資する個人投資家です。
個人の裁量で投資先を決定し支援するので、豊富な資金力と経験が必要になります。
そのためエンジェル投資家には有名起業の創業者が多く名を連ねています。
アメリカの例を出せばアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏やグーグル創業メンバーのマリッサ・メイヤー氏が有名です。
日本では元シャープ副社長の佐々木正氏や最近だとDena共同創業の川田尚吾氏の名前が業界ではよく話題になります。
・なぜ起業家から人気なのか
起業間もない企業にとって大事なのは「人」そして「資金調達」です。
どんな優れた事業プランがあってもこの2つが無ければその企業に先はありません。
もちろん傑出した事業プランがあり、発信力が伴えば、興味を持ったビジネスパートナーや
投資家が向こうから集まってくることもあります。
しかしそのような発信力を持つ若いベンチャーは稀です。
多くのベンチャーにとってはビジネスパートナーも資金提供者も自分たちで探す必要があります。
そこで心強い味方となるのがエンジェル投資家です。
エンジェル投資家は元々名前が広く知れ渡っている方が多くいます。
一般社会では無名でもある業界に身を置く人なら絶対知っているということもあります。
そのような方々ですから、その投資先にも大きな注目が集まるのです。
つまり彼らから出資を受けるということは資金だけではなく、同時に発信力を得ることに繋がります。
若いベンチャーにとってはこれほど大きな武器はありません。
発信力があれば、優秀な人材の採用につながるからです。
また経営経験豊富なベンチャー企業経営者は多くありません。
創業期には数々の問題が発生しますがそれに対応するノウハウがないのです。
多数の企業に出資し、様々な経営課題を経験しているエンジェル投資家はここでも力強い味方となります。
さらに有名なエンジェル投資家から出資を受けるともなれば、従業員のモチベーションにも良い影響をもたらします。
一般的にベンチャー企業を選ぶ人は働くモチベーションが高い傾向にありますが、その情熱をまっすぐ事業だけに注げる環境づくりにも、エンジェル投資家は助けとなってくれるでしょう。
しかしもちろん、エンジェル投資家も様々ですから、資金を出すだけで、経営にはあえて触れてこないエンジェル投資家もいます。
ただそれでもエンジェル投資家から出資を受けるメリットは大きいです。
たとえば銀行からの借入やベンチャーキャピタルからの出資を考えると審査のハードルは高くなります。
銀行からは担保を要求されることも当然あるでしょう。
出資を受けた後を考えてみます。
他人の資金を運用するベンチャーキャピタルは早期の上場や持株の買取要求をしてくるかもしれません。
このように資金調達をする際も、また資金調達をした後も様々な制約が多くなることが考えられます。
対してエンジェル投資家は豊富な個人資産をもつ個人ですから、比較的に自由にやらせてくれることが多いことが支持される理由となっています。
・どうしたらエンジェル投資家に出会えるか。
ここまでエンジェル投資家の魅力を述べてきましたが、ではどうしたらエンジェル投資家に出会えるのでしょうか。
これから起業を考えてる人や、資金調達に悩んでいる経営者にとっては一番気になる部分かもしれません。
エンジェル投資家の探し方は以下の様なものがあります。
1,起業家が集まるイベントへの参加
2,マッチングサイトの利用
3,SNSの活用
一つ目の起業家イベントへの参加では、イベントのゲストとして有名な起業家やエンジェル投資家が招待されることがあります。
そこで繋がりを得るという方法です。相手もそういったことには慣れている方々ですから、臆せずに積極的にアピールしましょう。
ここではエンジェル投資家に会えなくても将来のビジネスパートナーが見つかる可能性があります。
またそのビジネスパートナーから紹介してもらいエンジェル投資家と繋がることも考えられるでしょう。
二つ目はマッチングサイトの利用です。
近年はインターネットを使い、資金調達がしやすくなっています。
どのようなサイトを利用するのかは注意が必要ですが、起業を志す人には便利なサービスです。
三つ目はSNSの活用です。これは有名な投資家にSNS上で直接コンタクトをとってみるという方法です。
エンジェル投資家の中にはSNSを活用しアンテナを広く張っている方も多くいますから、積極的に働きかけることも無駄ではないでしょう。
彼らの食指を動かすプランや情熱を示せれば進展があるかもしれません。
繋がりができても、豊富な経験と知識を持つエンジェル投資家を納得させるのは簡単ではないのは事実です。
しかし銀行やベンチャーキャピタルとは違った側面から事業を評価してくれるエンジェル投資家もいます。
少なくとも情熱があれば聞く耳を持ってくれるエンジェル投資家は多いはずです。
これから起業を考えている方、ベンチャー企業を経営している方は資金調達の課題に直面した時、
エンジェル投資家からの出資を選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。